私たちは、「地域と歩む高度医療の実践」という鳥取大学医学部附属病院理念のもと、地域連携を念頭におき、地域の中の大学病院としての役割を認識し行動できる看護部を目指しています。そして、専門性の高い看護の提供及び看護教育・研究を推進し、地域の人々に対して、看護部理念でもある「共に歩む看護」の実践を大切にしています。
　
今年度は重点的に以下の事に取り組みます。
　
2024年度　看護部スローガン
「その人らしさ」を尊重した看護の実践
　
1．人間としての尊厳を守る看護の実践
　患者さんの高齢化が進み重症度も高まる中で、様々な課題を抱える方々を統合的に捉えた看護を提供する必要があり、その中で人間としての尊厳を守り、倫理観高く看護を実践することは重要なことです。また、看護職である私たち自身が健康で幸福と感じながら、より良い看護の提供につなげていくことも大切なことです。今年度は、日本看護協会の看護職の倫理綱領にもあるように、人間の生命、人間としての尊厳及び権利を尊重し、常に温かな人間的配慮をもってその人らしい健康な生活の実現に貢献していきたいと考えています。そして、患者さん及び私たち自身の「その人らしさ」を尊重しあうことのできる組織づくりを目指していきたいと思います。
　
2． その人らしさを支援する担当看護師役割の実践率向上
担当看護師役割実践率向上を目指し、昨年度は看護部委員会では理解を深めるための取組や実践率の調査、各部署においては意図的に患者に寄り添う時間の確保、急性期から転棟先の病棟へつなげる看護の実践、外来と病棟の連携による継続した意思決定支援などに取り組んできました。私たち看護部の理念である「共に歩む看護」の実現を目指し、地域においてその人らしく生活できるための自己決定を支援する看護職でありたいと考えます。高い稼働率のなかでの病床回転数増加、手術件数増加、平均在院日数の短縮により、患者さんの入退院や転入・転出は頻繁ですが、今年度も担当看護師を中心としてチームメンバーが連携したケアを提供する仕組みづくりを行っていきます。そのためにリーダーもメンバーも、自分自身が与えられた役割を自覚し責任をもって遂行していくことが大切であると考えています。
　
3． タスクシフト/シェアの推進
　医師の働き方改革制度では、患者の一番近くにいる看護職に対し、タスクシフト/シェアへの積極的な取り組み、さらなる専門性の発揮が求められています。そのためには、特定行為研修修了者が19名と増加しつつあることを強みとした特定行為の実践を推し進めると共に、各職種の業務範囲を明確にしたうえでの専門性の発揮、看護補助者、外来クラークとの協働も更に推進していきたいと考えています。
　
今年度も、柔軟に意思決定しながら、お互いを認め支えあう良好な職場づくりを推進していきます。どうぞよろしくお願いします。

副病院長・看護部長　森田理恵